欠点に願いを

V







1月10日、午前7時。
私は久々に制服を着て、リビングに顔を出した。
今日は始業式だし、久々の学校だから、きっと制服の方が無難だろう。


「母さん、私、今日からまた学校行くよ」


母さんは驚いた顔をしたけど、すぐに笑顔になった。


「そう、学校に行く元気が出たのね。無理はしないのよ」

「ありがとう、母さん」


私は朝食を食べて、家を出た。






電車に乗って、学校の最寄駅で降りる。


「澪ちゃん!」


聞き覚えがあるような無いような声に振り返ると、何と優樹ちゃんが同じ制服を着て走ってきた。


「澪ちゃん、同じ学校だったんだね」

「そうだね、私もビックリなんだけど」



DEARを愛し、DEARの御陰で立ち直れた仲間が一緒に居る。
それを知れただけで幸先が良くて、トラブルも乗り越えられそうな気がした。

叫び続けたら、きっと想いは届くんだ。





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