欠点に願いを
「皆さんは、Flugelってバンドを知ってますか? 俺は高校生の時に彼女からFlugelの音源を借りて、それが音楽を始めた一番のキッカケです」
…ああ、やっぱり。
あたしの話が出てくるとは思ってなかったけど。
拓哉が続く。
「"DEAR"ってさ、"親愛なる〜"って意味じゃん、手紙の冒頭につけたりするよね。俺達は親愛なる相手に想いが伝わるようにって、DEARってバンド名にしました」
手紙の冒頭の“親愛なる”。
きっと、それは、デビュー曲の方も。
「デビュー曲の『DEAR』も、“親愛なる相手に想いが届けば良いな”と思って書きました」
「叫び続ければ、きっと想いは届くんだよ」
デビュー曲の思い入れについて語る健人。
もし本当に、健人があの曲を作詞したのなら。
最後の歌詞はやっぱり、確実にフランス語だ。
だって健人、高校時代にフランス語を勉強してたもんね。
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