引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





この拓の驚き方……、やっぱり知らなかったんだ。。。





目と口が完全に開いちゃってるんだけど…。






するとななっぺが帰る準備をしながら拓に言った。






「やっぱり瀬川も知らなかったのか。じゃあ当然理由なんて分かるわけないよね」



「今聞いてビビってんのに、知るわけねーだろ!てか、馬場はどこ行ったんだよ!?アイツに聞くのが一番早いだろ!」



「話したくないって帰っちゃった…」



「なんだ、そりゃ」






とりあえず、別れた理由も分からないのにみんなで集まってあれこれ言ってても仕方ないねって話になって、解散することになった。





前の勉強会の通り、まずはあゆとななっぺとあーさんが3人で帰って、映美佳は「柚は瀬川に送ってもらいなよ」と言い残して一人で帰って行った。






「…知らなかったぁ。いつ別れたんだろな。マサ、昨日はそんなコト全然言ってなかったけど」



「私とあーさんも『昨日は普通だったよね』って話してたんだけど…。もしかして昨日の夜に別れたのかな…?」



「………うわぁ〜〜〜。何か考えるだけでも嫌だな、別れって。俺は絶対柚を離さないからな」






拓はそう言って、私の身体を一気に引き寄せてきた。





そしてそのまま優しく抱き締められた。






「…うん。私もずっと拓と一緒にいるよ」



「柚……」






もっともっと、二人の距離が近付いて、自然にキスをしていた。





最近また拓が忙しかったから、こうやって密着できるのも久しぶり。





拓の優しい唇の温度に溶かされそうになっていると……





< 133 / 281 >

この作品をシェア

pagetop