引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





「うちのクラスでは1、2を争うところにいますし、もちろん学年でもかなり優秀な成績だと思います。だけどA高校ってのが…。杉田さん、どうしてA高校に行きたいと思ったの?」



「え、あの…、放送部に入りたくて。放送コンテストでいつも県代表常連みたいだったし…」



「なるほどねー。やりたい部活があるわけか。お母さんもそれは承認済みですか?」



「はい。娘には行きたい高校に入ってもらえればそれで…」



「分かりました。…でも、柚さんの成績なら、私立のH高校も充分狙えますよ。まだ将来のことは考えられないかもしれないけど、大学行くならこっちのが進学率高いですから」



「えっ、H高校!?」






村尾先生の口から、そんな有名な高校の名前が飛び出すなんて、思いもよらなかった。





めちゃくちゃ頭がいい人が集まる、有名私立高校だよ…。





そんな高校、私が狙えちゃったりするの!?






「あ。もちろん私立だし、ご家庭の経済事情とかあると思いますので、あくまで柚さんの成績から見ると…ということでお話させてもらってます。A高校なら、もしかしたら成績優秀の枠で推薦入試もチャレンジできるかもしれませんし」



「推薦…?」



「ええ。内申も悪くないし、万が一失敗しても一般入試で受け直せるから、やってみる価値はあると思うわよ。まあ、杉田さんももう少し親御さんと話し合ってみて?」



「はい…」





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