引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





「柚…、終わりかけなのにゴメン。この問題、分かる?」



「え?どれ?……これ、ハイレベルな問題集みたいだけど、あーさんこんな問題ばっかりやってるの?」



「…うん。家庭教師の先生からの宿題なんだ」



「でもあーさん、自分で成績は中の中って…」



「親が無理にレベル違いの学校行かせたがってて。H高…って、柚とかが目指す学校だよね…?」



「H高!?」






確かにH高、担任の村尾先生に勧められたけど。





でも私ですら『夏休み頑張れば何とかなる』レベルだと思うのに、あーさんが狙うのは…、どうなんだろう?






「え?あーさん、H高狙ってるの?今から間に合うの?」



「あ…、映美佳」






そこに、映美佳が会話に入ってきた。





映美佳もH高とあーさんが合わない感じでびっくりしてるみたい。






「うん…。夏休み前に三者面談したでしょ?あの時も村尾先生に『H高は止めた方がいい』って言われたんだけど、うちの親が『絶対受けさせる』って…」



「あーさんはどこ行きたいの?」



「県立のI高校。ここから通うには遠いけど、学力的には合ってると思ってるんだ」



「そうだね…。あーさん、前から遠い高校に通うって言ってたもんね」






あれから、あーさんはいじめっ子グループとは完全に関わりを切って、私と平穏な学校生活を送っている。





だけど…、やっぱり今も彼女達とは別の高校に行きたいと考えていたんだ?





よっぽどトラウマになってるんだな…、いじめられていたこと。





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