引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





「…ねえ、柚。この問題分かんないから教えてもらえるかな?」



「え、ななっぺ?…うん、いいよ」






そんな二人の会話を見ながら少し安心していたら、急にななっぺから声をかけられた。





いつの間にか私の隣に座っていたななっぺは、私の前に問題集を差し出してきた。






「この問題。とりあえずヒントだけ教えてもらっていい?」



「あ、うん。……あれ、何か落ちたよ?」






ななっぺが持っていた県立高校統一の過去問集から、ホロリと1枚の紙切れが落ちた。





私は慌ててテーブルの下に落ちてしまったその紙を拾い上げた。






「…え?」






見るつもりはもちろんなかったけど…





偶然その内容が見えてしまった私は、少し驚いた。





それは先月のななっぺの校内模試の結果表。





そして、そこに書かれていたななっぺの第一志望の高校は……






「…ごめん。見えたよね?私……A高校とR高校、結構迷ってて」



「そうだったんだ…」






ななっぺの第一志望がA高校になっていた。





しかもB判定。





第二志望のR高校は、A判定と書かれていた。






「どうせ見えちゃったなら見てもいいよ。A高はB判定だけど、Cに近いから油断はできないんだ」






ななっぺから、私の目の前にさっきの結果表が突きつけられて、私は否が応でもななっぺの結果表を見ることになってしまった。





…確かに、A高はCに近いB判定みたい。





だけど、どうして?





どうして急に志望校を変えようなんて……





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