引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「あゆ、焼け具合どうかな?ちょっと焦げてるような……」
「え?何でこんなことになってんの?タイマーしたの誰?」
「あ〜、はいはい!私!!ごめん」
「またあかねちゃん〜?…まあ食べれないほどでもないから、このままデコレーションして出すかぁ」
「じゃあ向こうでデコレーションしてるね」
「まかせたよ、柚ー」
ちょっと茶色くなり過ぎた熱々のクッキーに、カラフルなチョコペンでデコレーション。
その間にもあゆはあかねちゃんから目が離せないみたい。
「ただいま〜。お菓子どうだ?進んでるかぁ?」
「あっ、拓。早かったね」
「おっ、うまそー」
「あ……」
私達がお菓子を作っている間、拓と倉本くんはジュースなどの買い出しに出かけていた。
拓ってば、帰ってきた途端さっき焼き上がったクッキーを1枚食べちゃってるし…。
「お〜、うまいじゃん。さすが柚達が作ったお菓子だなー」
「おい、拓。俺先に2階行ってるぞ」
「あ、ちょっと待てよマサ!」
だけど倉本くんは私達の様子をチラッと見ただけで、さっさと階段を上ってしまった。
それを見た拓も急いで2階に上がってるし。