引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





「ほら…、去年歴史の授業で習わなかった?私の名字と『イルカ』、何か感じない?」



「蘇我さん…、イルカ…。ああ!『蘇我入鹿(そがのいるか)』だ!!」



「当たり。授業でその名前出てきた瞬間から、私のあだ名が『イルカ』になっちゃったんだよね。当時は男子にもからかわれて『イルカ』って呼ばれてたよ」



「そうだったんだ…。その『イルカ』だと、確かにかわいくないかも…」



「海で泳いでるイルカの方だと思ってた?私もそっちだったら納得してたかもね。でも歴史上の人物はさすがにないでしょ」






なるほど…って感じだけど、今はうちのクラスでは西田さんと間山さん以外に蘇我さんのことを『イルカ』って呼ぶ人はいない…と思う。





そういう意味でも蘇我さんは、このあだ名をあまりいいようには感じてないのかもしれない。






「はい!次は8番!!そろそろビンゴ出るかな〜」






急にビンゴの進行の男子のマイクの声が聞こえてきて、私にももちろん配られていたビンゴのボードを見ると……






「え?もしかして私、ビンゴ???」






あまり大きな声では言わなかったのに、私は前の方に座ってるから普通に進行の人の耳にそれが聞こえてしまってたみたいで…。






「おっ、杉田ビンゴ?ちょっと見せてー」



「え?あ……」






あっさり進行の人にビンゴのボードを取られて確認されてしまった。。。






そして…





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