蜜色トライアングル【完】



しかしその方が良いのかもしれない。

その方がまだ、罪悪感を感じられる。

由弦は遥の腰を両手で抱え込み、勢いをつけて何度も最奥をえぐった。

まるで食らいつくすような動きに、遥は悲鳴を上げる。


「ぁあっ――――!!」


ぎゅぎゅっと体の奥が何度か痙攣したあと、遥はぱたんと力を失った。

絶頂を迎えた体は快楽の余韻に震え、目尻にはうっすらと涙が浮かんでいる。


「……」


その涙に、由弦は木葉の横顔を思い出した。

――――抱きしめた時、木葉の目尻にうっすらと浮かんでいた涙。

その横顔を思い出した瞬間、由弦自身が強張るのを感じた。


「……っ」


白い世界に飛んでいた遥は、由弦の強張りに気づきうっすらと目を開けた。

茫洋とした目で由弦を見る。

瞬間、力強く突き入れられ、再び悲鳴を上げた。


< 126 / 222 >

この作品をシェア

pagetop