蜜色トライアングル【完】



木葉は震える手でページの端を掴んだ。


……口元は、由弦。

……目元は、冬青。


そこにあったのは、まさに冬青と由弦を足して二で割ったような顔だった。


「なんでっ……!?」


これまで、冬青や由弦に似ている人間を木葉は見たことがない。

それがなぜ、こんなところに……ここまで似ている人間が写っているのか?

他人の空似という感じではない。

衝撃のあまりくらっとした木葉は、頭の奥でいつか聞いた声を思い出した。


『……木葉ちゃん……だめよ……』

『……』

『……の子たちは……本当の……』


――――女の人の声。

なぜか神社の鳥居が脳裏に思い浮かぶ。

そして鳥居の脇にある、井戸……。


「……ゃぁああ!!」


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