蜜色トライアングル【完】



由弦の慌てたような声が聞こえる。

その声に木葉は息を飲んだ。

何かあったらしい。


「木葉、今……」


冬青が木葉に視線を投げる。

木葉は素早くモップを壁に立てかけた。


「私、見てくるね。お兄ちゃんは道場の準備してて!」

「おいっ……」

「すぐ戻るから!」


木葉は急いで道場の入り口へと駆け出した。


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