うさぎとねこ
合唱祭
「合唱祭?」

鞄や机の中を整理していると

友達の三森 涼太が

話題を振ってきた。

来月の始めに合唱祭があり

金賞にはちょっとしたご褒美がある。

涼太はそれがどうしてもほしいらしい。

「……で、なんでその話を俺に?

もう残り日数も少ないし

俺、参加しないつもり

だったんだけど」

と言うと涼太は少し息を潜めて

「須川ってさ、

かなり歌上手いんだよ。

だから協力してもらえるように

頼んでくれねぇかな?」

と言ってお願いされた。

「…………別にいいけど…

うまくいくか分からないよ。

………色々あったから」

と言うと涼太は首をかしげながらも

「……じゃあ、頼んだぜ。

無理なら無理でいいから」

と言って涼太は自分の席に戻った。

舞は…もう来てるな。

俺は舞に話しかけようと席を立った。
< 11 / 19 >

この作品をシェア

pagetop