愛をくれた神様
ノブシの話・差出人の真相

母と別れ、帰路につく。 携帯を見ると、まだ7時だった。

かすかに西の空が青い。最寄り駅から、西のほうへ真っ直ぐ歩き、おおきな空き地を越えると、僕と父の住む家があった。

 ちゃりんちゃり…ん、と小学校高学年くらいの、男の子と女の子がベルを鳴らしながら自転車で僕の横をすりぬけていく。塾の帰りなのか、今日は算数と英語~、などと話している。
いいなあ、と思った。住んでいた家と、兄弟をいっぺんに無くした僕は、どのように笑って、どのように話しをして、どのように友達を作ったらいいか分からなくなり常にひとりぼっちだった。つまらない子供時代だったと、自分でも思う。

 だが今は、そんな事を考えている場合ではない。

僕の足取りは重かった。母から聞いた情報が、まだ自分の中で整理できていなかった。

このハガキの字は兄の字だと、母は言う。日付や、その日の状況など考えれば、このハガキを書いたのは、兄である可能性が高い。

 しかし、差出人の大阪の住所だけ字体が違う。


このハガキは兄と、もう1人誰か手を加えた人がいるのだ。
< 47 / 64 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop