愛をくれた神様
ノブシの話・最後の投函

 あのハガキを書いたのは兄だと言うことが分かったこと、差出人の住所は僕がかいたもので兄はたぶんそれを使ったのだという事、切手を貼り直し再び送ってあげた事を報告したいのに、なかなか彼女と連絡が取れなった。

僕は途方にくれていた。 彼女に、ハガキを送り直したことをメールで事後報告したが、たぶん彼女はそれが気にくわなかっただろうと思う。

そりゃそうだ。彼女が積極的にハガキの差出人の住所を調べたり、内容の下に記されてある日付に気づき、僕に大事な事を思い出させてくれたのに、僕は彼女に黙って自己解決してしまった。

彼女がバイトや合宿で会えないでいようと、 分かったことひとつひとつを彼女に報告し 相談してあげるべきだったのだ。 僕を想う彼女の心を傷つけてしまった事を詫びたいのに、もう2週間も連絡が取れない。

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