廻音
そう言えば、と自宅を出る前の会話を思い出す。

一瞬、春陽さんに敵意、むしろ殺意を剥き出しにした來玖さん。
黒雅さんもきっとあんな感じだったのだろう。

春陽さんってそういう星の下に居るんだろうか。
チラリと彼を見やり、届く筈のない「ごめんなさい。」を投げ掛ける。

大体二人共、敵意を剥き出しにする必要もないし、そもそも勘違い甚だしいのだ。

だって…。
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