蜜色トライアングル ~Edges of precise jade


木葉はほっとしつつも、胸の中に疑問が渦巻いていくのを感じた。

圭斗は自分のことをわかってくれている。

けれど自分は、圭斗のことをわかっているのだろうか?


……過去の恋人達。

……自分の知らない、圭斗の過去……。


自分を好きだと言ってくれる圭斗の気持ちは嬉しい。

が。

凛花は自信を持てと言ったが、そう簡単に持てるものでもない。


俯いた木葉に、圭斗が声をかける。


「木葉。この近くから運河に出れる。運河を散歩して帰ろう」

「……あ、うん……」



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