お前が好きなのは俺だろ?



「だってもう6時過ぎるし。ってか、なんで未来はそんなに帰りたがらないのよ?」



「うっ……」



あたしが帰りたがらないってバレてたか……




「だって、家には一ノ宮君しかいないんだよ?」




なんかね……



「だからさ!朝から言ってるけど……」



「はいはい。もう分かってるから」



智香に言ったのがバカだった。



どうせ智香は朝と同じようにこう言うんでしょ?



「2人っきりなら、攻めればいいのに……」



ほら。



ボソッと智香が呟いた声が聞こえる。




「なんであたしが攻めないといけないのよ……」



智香と別れてからの帰り道、ついあたしもボソッと独り言を呟いてしまった。



< 101 / 424 >

この作品をシェア

pagetop