お前が好きなのは俺だろ?
「だってもう6時過ぎるし。ってか、なんで未来はそんなに帰りたがらないのよ?」
「うっ……」
あたしが帰りたがらないってバレてたか……
「だって、家には一ノ宮君しかいないんだよ?」
なんかね……
「だからさ!朝から言ってるけど……」
「はいはい。もう分かってるから」
智香に言ったのがバカだった。
どうせ智香は朝と同じようにこう言うんでしょ?
「2人っきりなら、攻めればいいのに……」
ほら。
ボソッと智香が呟いた声が聞こえる。
「なんであたしが攻めないといけないのよ……」
智香と別れてからの帰り道、ついあたしもボソッと独り言を呟いてしまった。