お前が好きなのは俺だろ?



「ひ、弘也君」



「どうしたの?あっ、友達と遊んでたとか?」



片手にエコバック、そして逆の手には……女の子?



「うん。えっと……妹さん?」



「そうそう!妹!!」



弘也君の手をギュッと握って、不思議そうにあたしを見つめるクリクリの瞳。



「ほら、花。ご挨拶」



うわっ、弘也君がお兄さんだ。




昨日のふざけた様子とは全然違って、とてもしっかりした雰囲気だ。




「やなだ……はなちゃんです」



――キュンっ!!



か、かわいいっ!!



ハートを完全に打ち抜かれてしまった。




「ほーら、花。毎回言うけど、やなだじゃなくて、やなぎだ、だろ?」



「やーなーだ?」



「違う違う。や・な・ぎ・だ」



花ちゃんの身長に合わせて屈み、話しかける。




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