お前が好きなのは俺だろ?


「欲しくなかった……」



「は?」



「プレゼントなんて欲しくなかった……」



「はあ!?」



だって……




「こんな思い出のプレゼント貰っちゃったら、諦められなくなるじゃん」



「っ……」




「もう兄妹になるのに、あたし……一ノ宮君のこと諦められなくなるじゃん。バカ……」



本当にバカなのはあたし。



こんなこと言ったって、最初で最後のデートってことは代わらないのに……



――ギュ―ッ




「…………え」



「はぁ―……負けた」



体を包み込むような優しい体温。



「ま、負け……」



「未来には負けたよ」





ってか、なんであたし抱きしめられてるの……?




「一ノ……」






「なぁ、未来……俺たち、兄妹以上の関係になろうか……?」






その優しい声は、あたしの耳元でそっと囁かれた―……





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