幕末ヴァンパイア
闇夜の光

私はいつものように夜の東京・歌舞伎町を歩いていた

時計の針は2時を指している

しかし歌舞伎町は繁華街
まだ人がたくさんいた

「ねぇねぇ、キミ!俺らの店に来ない??」

金髪の軽そうなヤツが私の肩に手をかけ、話かけてきた

どうせ、どこかのホストだろう

「急いでるんで……」
と肩に置かれた手を払い、一瞥した

「あっ…////!!」

男が私の顔を見るなり、顔を真っ赤にした

私は、その場に立ち尽くす男を見向きもせず、そのまま人通りが少ない場所を探すべく
その場を立ち去った


途中で何度も話しかけられたが、うっとうしいので全て無視した


私がこうやって繁華街を歩くのはそう……

新鮮な生き血をさがすため

良い獲物がいたら、人通りが少ない場所へ連れて行き……

後は想像に任せよう…

今日は良い獲物がいなかった…

「仕方ない……ここで探すとするか……」

「それにしても……」
フッと空を見上げた
「今宵は良い満月だ……」
薄暗い路地に、
爛々と輝く満月が降り注いでいた

私はヴァンパイア

ヴァンパイアは本来、満月の時にだけ
自分に眠っている力を出せるのだ

私は身体からみなぎる力を感じながら
集中力を高めた
闇に目を凝らしながら、辺りの気配を探る

フワッ

「!!」
甘い香りが鼻をかすめた


私は甘い香りに誘われたミツバチのように、
甘い香りうを辿り吸い寄せられるようにその場所へ向かった



「…………?人がいない…?」


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