幕末ヴァンパイア

-屯所-

「あれぇ?
土方さん雲行きが怪しくなってきましたよ
そろそろ中に入りましょうよ」

怒りで拳を作りプルプルと震えている土方に沖田は気づかない

返事をしない土方を不思議に思い
振り返った

「あれ?土方さんどうかしましたか?」

「総司……てめぇ……」

「はい?」

ゴロゴロ……

「いい加減に…
しやがれええぇェ!!」

ドォーーーーーン!!

土方の怒りと共に雷が屯所に落ちた


「うわぁっ!!?」

沖田は素っ頓狂な声を上げ、
思わず土方を見た

「ひ、土方さん……
遂に雷を落とすように……」

「ちげーよ!!」

「なんだぁ?!今の音っ!?」
「何だ何だ?!」
「庭からものすごい音がしたぞ?!」

ドタドタと庭に、
屯所にいる者全員が音を聞きつけ集まってきた

雷が落ちた後からモクモクと煙がたっている
地面は焼け焦げ、
どのくらい大きい規模の雷だったか
一目瞭然だ

それを見て沖田はここぞとばかりに
隊士たちに言う

「皆さん聞いて下さいよ!!
土方さんがこの雷を呼んだんですよ!!」

「んなワケねぇだろ!!」

ザワザワ……
「や、やはり副長が…」
「ついに雷を落とされるように…」

「だから、ちげぇって「ふ、副長!…
庭に…庭に何かいます!」

土方を遮り、
隊士の一人が指をさしてそう言った

皆、その指がさす方向を凝視した

「「「え゛ぇ゛?!」」」

……なぜなら、そこには
光に包まれた女が宙をういていたからだ

「「「雷神さま??!」」」

隊士達は混乱し口を揃えてそう言った

「いやいや違うだろ」

…冷静に突っ込む土方

そんな土方のつぶやきはパニックになった隊士達の耳には当然の如く聞こえてない

「わー!雷神様だぁー!」

「うわぁーどうするんだぁー!」

「雷神様がぁー!」

突然起きた出来事に隊士達は頭の処理がつかなく、
パニックにおちいった


ただ一人を除いて……




「絶対、お前ら馬鹿だろ(汗)」

冷静な土方だった
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