蜜色トライアングル ~String of origin

3.未来への道標




一週間後。

繁華街へ買い出しに行った帰り道。


家の近くの公園の脇を歩いていると、後ろから声を掛けられた。

……昔から耳になじんだ声。

由弦だ。


「遅かったな。病院か?」


由弦はジーパンに黒シャツというラフな格好で木葉の方に向かって歩いてくる。

木葉は足を止め、由弦を見上げた。


「……うん。由弦も今、帰り?」

「ああ。実験が長引いちまってな」


疲れたように肩を回し、大きく伸びをする。

木葉は横を歩く由弦を見上げた。


この数週間、由弦とはほとんど会っていなかった。

由弦は大学の研究室で研究を続け、帰りはいつも深夜だった。


「大変なの? 実験」

「まぁな。でも大分、データはまとまってきたかな」


と、そこまで言ったところで。

由弦は木葉に向き直り、口を開いた。


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