撮影日和
僕は、藤沢 尚(なお)。

この間、17になったとこ。

身長は、181くらい?よくバスケ部とかバレー部に誘われるけど、入る予定は無い。

ま、どっちかといえばというか、断然バスケが好き。

逆に言えば、バレーが嫌い。

理由は、下手すぎて手首に内出血ができるから。
紫色の点々になって、痛いし気持ち悪いし。

今のところ長続きしている趣味は、写真を撮ることかな。

あとは本を読むのが好き。

運動神経はきっと悪くないけど、文科系なんだな、おそらく。

あーあ、暇だ。

体育って、疲れるんだよね。

でも、みんな生き生きとしてるから見てるのは楽しい。

「おーい、尚!なにやってんだよ!ほらこっちこいよ!!」同じチームの雄介が叫ぶ。

こいつは、バスケ部の来年度の主将。

背は僕と同じくらいだけど、筋肉の量がきっと違うんだろう。

全然僕と体格が違う。

でも、足は僕の方が速いんだな。

「人数、たりてんだろ?僕は、見てるよ。」男と女に分かれて、六人ずつのチームわけをしてバスケのトーナメントをやっているところ。

必然的に一人余る。

それが今の僕。

「良太と交代だよ。少しは、動けよな。」

「体育の授業だよ。勝つ必要ないだろ。さっさと負けて、終わろうよ。」

「アホ。俺には在るんだよ。」

「またくっだらない賭けしてんだろ。」

「わりぃかよ。とにかく、お前と同じチームになったから、賭けしたんだぜ。早く来いよ、じじい!」

「じじいねぇ。そんな口、利いたらやんないよ。」

動きつかれて真っ赤な顔をした良太が、僕の隣にべたーっとすわった。

「かわって。まじ、限界。」

「・・・運動不足だよ、良太。」ま、人のことは言えないが。

ピーっ。審判の笛がなる。

僕は割りとワンマンなプレー。

それを知ってて、雄介が僕にパスを回す。

ランニングシュートが得意なんだよな・・・一応。

ダンクは無理だけど。

< 1 / 13 >

この作品をシェア

pagetop