撮影日和

結局、こんな展開になるんだよな。

見返してやるって言ったってさ、もう関係のない男なんてどうでもいいと思うんだけど。

女の子とは思考回路が違うのかなやっばり。

「あんたは捨てられたんでしょ?晶は、あんたよりあたしがいいって。」今の彼女が勝ち誇ったように言う。

「晶?どうでもいいの、もう。あたしには、尚がいるし。晶より全然かっこいいでしょ?あんたも、もっといい男みつけたら?」理沙の腕がが僕の腕に絡む。

今の彼女が僕をみて、微妙な顔をして黙った。それで、理沙は少し満足みたいだ。

でも、男・・晶だっけ、そいつがぶちっときたみたいだった。

いきなり僕の胸倉をつかんだ。

何かしたげに、僕を睨む。

やめてよ、男と見詰め合う趣味無いから。

「暴力反対。警察呼ぶよ。」僕はそいつの手をほどいた。

「そんな女のどこがいいのかね。俺は少し付き合ったらこんな女飽きたけどな。趣味がわりぃよ。ま、俺のお古でよければくれてやるぜ。」理沙が目に涙をためている。

「下品だね。女の子はものじゃない。低レベルな男に、理沙はあわなかったってことだよ。行こう、理沙。」

僕は理沙の手を引っ張った。

なにやら男が叫んでたけど・・・正直どうでもいい。

なんとでも言え。言うのはタダだよーってね。

左側の理沙を見ると、なみだ目で僕をみながら微笑んだ。

ま、一応、整理がついたのかな。

「ありがとう・・尚。」

僕は軽く理沙の頭をポンポンっとした。

公園の休憩所の柱の影からかおりと雄介が出てきた。

「大丈夫か、尚。」

「うんまぁ。僕が何かあたら、雄介が助けてくれる予定だったんだろ?」

「え?そうだっけ?」

・・・はったりかましてよかった。喧嘩は好きじゃないんだよねっていうか、無理。

かおりが、理沙を抱えながら僕をみて「ありがとう。」といった。

僕は頷いて微笑んだ。

こういう手伝いも、たまにはいいけどね。
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