蜜色トライアングル ~Winter Blue



父の言葉に木葉は目を輝かせ、冬青を見た。

冬青も穏やかな優しい瞳で木葉を見つめている。


6歳で家に来た時から、父のために、木葉のためにと努力してきた冬青。

育ての親の期待に応えたいという冬青の思いを、清二は昔から理解していた。

そのために兄でいることに徹し、子供らしからぬその表情でずっと木葉を見守ってきた。


しかし今、冬青が木葉を見る目は年相応のものだ。

闇を抜け、新たな光を得て、希望に満ちた瞳。


幸せそうな二人を見ながら、清二も目を細めて微笑した……。


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