蜜色トライアングル ~Winter Blue



「わぁ……」


それは真珠と色とりどりの宝石が連なったブレスレットだった。

真珠の清楚な輝きと、エメラルドやサファイアの宝石の輝きが相まってとても美しい。

一粒一粒はさほど大きくないが、金の鎖で繋がれたそれらは繊細で、優しい輝きを放っている。


「キレイ! ……これ、私に?」

「お前以外に誰がいる?」


冬青は少し笑って言い、ブレスレットに手を伸ばした。

ブレスレットの金具をはずし、木葉の手首に巻き、パチッと留める。


「サイズは丁度良いな」

「うんっ。ありがとう、お兄ちゃん!」


木葉は嬉しそうな笑顔で冬青を見る。

冬青も優しい瞳でそれを見ていたが、やがて口を開いた。


「そうだな……再来月あたり。指輪を買いに行くつもりだ」

「え? 指輪?」

「どういう指輪が欲しいか考えておけ。あと、ひとつ頼みがある」


冬青の言葉に木葉は首を傾げた。

指輪も気になるが、兄が自分に何かを頼むというのは珍しい。

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