蜜色トライアングル ~Winter Blue



「そんな人間が、あんたのために、ずっと兄でいるって……」

「……」

「なんかすごくイビツな気がするけど。大丈夫なの? あんた」


凛花は心配そうに木葉を見る。

木葉は何も言えず、じっとテーブルを見つめていた。


――――イビツ。


傍から見ればそうかもしれない。

しかし今の木葉には、冬青から離れるなど考えられない。


兄には好きな人がいる。

それでも、今だけは傍にいてほしい……。


木葉は唇を噛みしめ、力なく俯いた……。


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