蜜色トライアングル ~Winter Blue



と尋ねた木葉に。

冬青はいつもと同じ冷静な声で言った。


「ウィークリーマンションだ。お前はしばらくここで生活しろ」

「……え?」

「由弦に会わせるわけにはいかない。しばらくここにいろ。服や食料は後で持ってくる」


冬青は言い、すっと立ち上がった。

木葉はポカンとしていたが、はっと我に返って兄を見上げた。


「えっ、お兄ちゃん!?」

「それと、圭斗にはしばらく休むと連絡しておいた。足が治るまで、お前はこの部屋から出るな」


冬青は決定事項のように言い、木葉に背を向ける。

そのまま扉を開けて外に出、外からガチャと鍵を掛ける。

木葉は呆然とそれを見つめていた……。


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