蜜色トライアングル ~Winter Blue



木葉は驚き片眉を上げた。

が、確かに一緒のベッドに寝るわけにもいかない。

というか一緒の部屋に寝ること自体もどうなんだろうという感じはするが……。


「そ、そっか……。布団は、あるの?」

「ない」

「え?」

「気にするな。俺はどこででも寝られる」


あのペンションでのことを考えるに、そうなのだろう。

しかし自分のためにここに連れてきてくれたのに、床で寝てもらうというのもなんとなく申し訳ない。

どうしようと考える木葉の前で、冬青は黙々とシチューを食べている。

全く何も気にしていないようなその表情に、木葉はちょっと拍子抜けするのを感じていた。


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