蜜色トライアングル ~Winter Blue



翌朝。

木葉が目を覚ますと、既に冬青の姿はなかった。

今日は土曜日だ。

恐らく剣の指導に行っているのだろう。


「……いたたた……」


本来であれば木葉も道場に行かなければならないが、全身が痛い。

特に下半身の痛みは起き上がるのすら困難なほどだ。

初めての痛みというよりは、よがったことによる筋肉痛だが。


昨夜のことを思い出し、木葉はカッと頬を赤らめた。


「……お兄ちゃん……」


兄と自分は、結ばれた。

この体の痛みは幻ではない。

体中に残る痕がそれを証明している。


「……っ……」


< 75 / 137 >

この作品をシェア

pagetop