蜜色トライアングル ~Winter Blue



木葉はずっと傍にいると思っていた。

ずっと、ここにいると……。


「……っ」


と、冬青がぐっと手を拳に握りしめた時。

ガチャとドアが開き、木葉が姿を見せた。

木葉はいつもの格好でサンダルを履いている。

冬青の姿を確認すると、その目が驚いたように見開かれた。


「……っ、お兄ちゃん……」


まるで予想もしなかったと言いたげな瞳。

冬青は立ち尽くす木葉を無理やり引き寄せた。

冬青の胸を激情が灼いていく。

それが木葉に向かって一直線に流れるのを、冬青は止めることができなかった……。



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