Blood Lovers

■恐怖

「血……」











「ん？先輩方、何か言いました？」





突然熱く語っていた咲良が杉崎と舞香を見て首を傾げるもんだから、二人は黙って耳をすます。










　「何も聞こえないじゃない。」





「咲良ちゃんの空耳じゃないの？」




「そうですかね…でも確かに聞こえたんですが…」







顔を見合わせた三人は背筋に寒気を感じる。








　「は、早く終わらせて帰ろうか…」





「ぶ、部長…あなたが言い出したんですよ…分かってるんですか？」






「咲良ちゃん。資料持ってたよね。」






「あ、ハイ。えっと…」








舞香の言葉を無視した杉崎は咲良に事前に調べた資料を求めた。咲良は杉崎に何か言いたそうな顔をしている舞香を尻目に、鞄の中から資料を取り出した。