歩ける僕と車椅子のキミ


………!?


何だ今のは…


黒崎は自分の胸の異変をおかしく
思いながら、考え込んでいた。


「……ッあの、どこかお悪い

んですか?」



『息子が今日退院で…』


いきなり話かけられて驚いたが、
それでも冷静に答えた。


「そうでしたか、おめでとう

ございます。」


『どうも。』


そして再びの沈黙。


そういえばこの子も3階に
行くのか…
いや、でも小児科だぞ!?


俺と同じで見舞い側なのか?


そうこう考えてる内に3階に
着いた。


「じゃあ、失礼します。」


そう言って彼女は車椅子で
受付の方に去っていった。


―――――……


俺はというと、


…ガラガラガラ


『悠』


「パパ~♪」


病室のドアを開けて声をかけると
悠が抱きついてきた。


『良かったな~

今日で退院だ!!

よく頑張ったな♪』


そう言って、悠を抱きあげた。


「うん。」



< 10 / 27 >

この作品をシェア

pagetop