家族☆ごっこ★
下着売り場に行った。

私が安い下着を見ていると 辻さんが
高い下着売り場で手招きをしている。

「ここのは高いから…あっちの安いので充分です。」

下着は目が飛び出そうな高さ。

「ダメですよ。ちゃんとしたものをつけましょう。
琴子さんはもう少し自分に自信を持たないと
中から変えていかないとダメです。」

店員が来て 私のサイズを計って
辻さんと二人であれこれ選んでいる。

「せっかくお胸が大きいんですから
形の崩れないものをつけた方がいいんですよ。」


試着室の中では恥ずかしいことに
店員さんがブラのつけ方を教えてくれた。
ブラジャーにつけ方があるなんて知らなかった。

「どうですか?」

「私の胸じゃないみたい。」

きれいに盛り上がった胸。

「さっきまでの下着ならもう早くに
垂れてしまいますよ。許されるなら何枚か洗い替えを
用意してちゃんとしたものつけて
たまにちょっと可愛い安いものをつけるとか
使い分けた方がいいですよ。」

そうなんだ。
私はおばあちゃんしかいなくて
渡されたのはスポーツブラのようなもので
そういうことには関心すらなかった気がする。

「谷間が・・・。」

「はい。みなさん憧れの谷間です。」

店員が微笑んだ。
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