eternal snow
#5
冷たい風。
いつのまに、夏は
終わってしまったのだろう。
長袖の制服も、
そろそろ寒いみたいだ。



変わらない帰り道。
そんなに大きくないのに、
あの背中は
なぜか私を少しだけ、
楽にさせる。



風が吹いた。
冬が近付き始めている、
匂いがする。



ふと、
私はあることに気付いた。



あの背中…


変わらない。



いつ見ても、
距離が変わらない。



私は、歩くのが遅い。


マサミは、



私と二人になると、
スピードを落としている。



いつものペースで
歩けていることが、
背中が離れていかないことが、


こんなにも、
私を安心させていた。



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