【超短】「好きだからだよ」【完】
「な、何があったわけ?」

と訊くと、大翔は片眉をピクッと小さく動かした。


「別に。……ただ」

「ただ?」

もう、じらさないで、教えなよ。


「お前に会いたかった」

「……。は?」

コイツ、私に会いたかったって言ったの?


私に……会いたかった……。


「はいぃ!?」

あ、あああっ……、会いたかった!?


私はしばらくしてから、状況を飲み込んだ。


「ちょっ、何言ってんの!? ね、熱でもあんの?」

「ねぇよ。そもそも、風邪引いたことねぇし」

なんて、サラッと言いのける。
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