エトセトラエトセトラ



みんながすう、と息を吸う。


「クラッカー、誕生日おめでとう!!!!」

何を言っているのかもわからないほどのみんなの叫び声と共に、破裂音が響き渡った。


クラッカーのために鳴らす、クラッカー。


肩を思いっきりビクつかせて驚いたあと、クラッカーは目をまん丸にして口を開けたまま呆然としていた。


「いつもの仕返し」

にしし、と笑いながら私が言うと、みんなも悪戯が成功した悪ガキ宜しく顔を合わせて笑い合った。

一拍置いて、耳を劈くような、あの声が。

クラッカーの笑い声。

沈んだ気分を吹き飛ばす、どこまでも突き抜けていくような、みんなが大好きな、笑い声。


一頻り笑ったあと、笑顔の治まりきらない顔でクラッカーが言った。


「びっくりしたよ。耳鳴りまでするんだもん」

それを聞いて、みんなはニィ、と嬉しそうな笑みを見せた。

どうやら作戦は成功したようだ。












クラッカーに耳鳴りを

    (やっぱり笑うことはいいよねってハナシ)





< 22 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop