冗談ばかりの彼氏さま





「好きだよ、結真……」



「だからっ!そういうことは……っ」




「うん。冗談じゃなかったらいいんだよね。好き」




そうやって、また
あたしの心を掻き乱す。



そんなとき、翔子の言葉を思い出した。



話し合えばきっと……




「でも、昼休みのとき……」



「あ、それね。ずっと言おうと思ってたんだ。あの時のはね、俺なりに結真を守りたかったからなんだよ」



……え?



「守る……?」




「そう、あの子達は陰湿なことするって有名だったから、あの子達の前では特別扱いは避けようって思ってたんだ。でも、結真が可愛かったから放っておけなかったんだね?いじめられてたんだろ?」



「えっと……あの……」




「ごめんね、ちゃんと守れなくて」





てことは、あたしの勘違い……だったの?


あたしは、知らないうちに
椋也に守られていた……?





「じゃあ、あれって……」



「あの言葉はその場凌(ばしの)ぎの嘘。俺が結真とあの子達を同じだと思ってるわけないでしょ」







< 99 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop