エゴイストよ、赦せ
また、だ。

そう思った。

ああ、終わったんだって、正直、そう思った。

けれど、それでも、消えないんだ。


どうしてか、彼女の温もりを、僕はまだ感じていた。

それはきっと、線香花火の残り火みたいに、切なくて、儚くて、とても頼りないものだけれど、心に沁みこんで、いつまでも消えようとはしなかった。


絡み合って、手を取り合って。

ずっと“そこ”に居る。

昇っていくことはない。

消えることなく、“そこ”に在った。




その色が、朱い色が。


小さな灯が、いつまでもいつまでも。


暗闇の中で、あざやかにあざやかに。


ジッ、と。


ジジッ、と。


微かに聴こえる音と共に――。



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