お嬢様と執事。~桜の奇跡~
少し気まずそうに視線を
反らす
せっかく向こうから話しかけてくれたのに
どうしてあんな事しか言えないのだろう
そんなことを考えていたら
手を何かが包む感触がした
「……え?」
顔を自分の手に向けると
白百合さんが両手で私の手を
握っていた
「お隣、よろしくね」
柔らかく微笑む白百合さんに
思わずドキッとしてしまった
私も白百合さんみたいに
自然に人と関われるように
なれたら、
そんなことをつい考えていた