F組探究部
九歩目☆




夏の暑さが増してきたころ。
いつものように部室にいるとノックとともにドアが開いた。




?「あの〜」
浅「は〜い?」




そこにいたのは優しそうなおじいちゃんタイプの男性が立っていた。




平「あの、私用務員の平山といいます。探究部では何でもお手伝いしてくれると聞いて」
鈴「まぁなww」
平「じゃあ、お願いしていいですか?」
和「何をすればいいですか?」
平「倉庫の掃除を…、」
「「倉庫の掃除!?」」







そんな事で体育館裏の倉庫まで移動した。
こんな所に倉庫があるなんて知らなかった探究部のメンツは少しばかりビックリしていた。


倉庫の扉を開けると目につくのはガラクタばかりだった。
掃除をしたいという意味がわかった気がした。




優「ガラクタ=お宝ww」
千「じゃあ、ガラクタの山じゃなくて宝の山だな」
藤「掘り出し物がありそうだな…、」




やる気が出たところで平山が依頼の説明をする。
そして皆で倉庫に入る。
中はものすごく物があり高く積み重なっていた。




和「うわぁ〜すごいね」
折「早くやらないと日が暮れるな」
浅「よし頑張ろう!!」
「「おぉ!!」」




まずは倉庫の物を外に出し分別する。
しかし高く積まれた物を退かすには背の高い人が必要なので藤本と浅井は少しの間見学。
背の高い優木は軽々と高い所の物を取っていた。
浅井の隣には少し不貞腐れた藤本がいた。




藤「俺だってぇ高い所届くし…、」
浅「まぁまぁ〜、」




藤本を慰めていると倉庫の方から声がした。
近くまで行くと和島が呼んでいた。




和「少しは降ろしたけど、これなら届く?」
藤「ふんっそんぐらい届くし…、」





ぴょんっぴょんっぴょんぴょん……、








チーンー……、








浅「落ち込まないでっ!いつかきっと大きくなれるよっ!!!」
藤「ありがとな…浅井の優しさが身にしみるぜ……、」




少し経ってようやく2人が届く物の高さまできた。
倉庫の中は学校に必要な物から必要ない物までたくさんあった。
ごそごそあさっていると千葉が声をあげた。




千「おぉ〜、この招き猫かわいいっ」
平「欲しいなら差し上げますよ。どうせ処分されてしまいますから。」
「「本当ですか!?」」
千「だったら部室に置こう、」




部室という言葉に森谷が良いことを思いついた。
あっと声をあげみんなの方へ向く。




森「じゃあ、いらないやつ貰って部室綺麗にしようぜぇ、後教室のドア直そう。」
優「ナイスアイディア♪」
折「そうと決まれば早く荷物を外に出そう、」
「「おぉっ!!!」」





―数時間後―





折「これでほぼ出したな…、」
鈴「疲れた…、」
平「では分別しますよ。」
「「おぉ…、」」




だんだんと疲れてきたF組メンバーは口数が少なくなってきた。
すると森谷が何かを発見したらしい。
ゆっくり鈴神に近付いていく。
そして紐を引いた。






パァンッ!!!






鈴「どあ゙ぁ゙!!」
「「うわぁ!!!」」
森「びっくりしたか?」




森谷の手の中にはクラッカーが握られていた。
鈴神だけじゃなくその場にいた全員がびっくりした。
鈴神に関しては前のめりになって倒れている。




折「おい、鈴神大丈夫か?」
鈴「星がくるくる回ってるぅ」
杉「大丈夫じゃ無さそうだね…、」




それも何とか持直しむくっと起き上がる。
少しぽけぇとしてハッと我に帰る。




鈴「何か単語とか抜けた…、」
杉「何も覚えてないくせに…、」
鈴「覚えてるよ!!サイン、コサイン、タンジェント!!!」
千「それだけ…?」
森「つか覚えてんじゃん」
鈴「おお〜」




俺覚えてた、何て喜んでいる鈴神にため息をつく。
だけど彼が喜んでいるからOKとしよう。
しかしまだまだ分別は続く。
探究部はいらなくなった長机とソファーを手に入れた。
その中でドアの部品を集めていく。




優「森谷これなんてどうだ?」
森「おぉ〜いいねぇ〜」




順調に部品を集めていたのだが急に藤本の叫び声が聞こえた。




折「どーした藤本?」
藤「ぎゃあぁああ!!」




すごい勢いで折原にしがみ付く。
そしてある物を指差す。
そこにいたのは……、




「「象?」」
藤「ちげぇよ!!蜘蛛だよ蜘蛛!!」




象の置物が置いてあったので皆が一斉に呟く。
しかし藤本は象の置物を見て驚いたのではなくそこに付いていた蜘蛛に驚いていた。




和「あぁ、藤本昔から蜘蛛ダメだったねww」
藤「気持ち悪いじゃんかよ足とかさ…、」
浅「確かに、私百足とかダメ…、」
藤「あぁ〜、わかるぜ…」




2人して百足の想像し身震いする。
うぅ怖いとか言いながら両手で自分自身を抱える。
すると杉崎が蜘蛛を手に取り藤本に投げた。




杉「ほいっ」
藤「ぎゃあぁああああああぁあああああああぁあああああああぁあああ!!!!!!!!」




藤本の叫び声が学校中に響いた。
その後ちゃんと分別をし欲しい物はもらうという事を繰り返し残りも少なくなってきた。




鈴「ふうぃ〜これここでいいか?」
平「はいお願いします。」
千「鈴神、これで最後、」
鈴「よしっ、終了」
「「終わったぁ〜」」




皆一斉に座り込む。
相当疲れたのだろうへばっていた。




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