トライアングル×3―秘密の三角関係―


あたしと村上くんは屋上からの階段を一緒に降りる。


「お前…隙みせるんじゃねぇぞ」
「す…隙って…」


村上くんは『厄介なやつに目をつけられた』とかってぶつぶつと言いながらあたしの前を歩いていた。

少し遅れて歩くあたしに気がついた村上くんは、振り向いた。


「それから。二人きりの時は悠《ゆう》って呼べよ」
「ゆ…う?」
「ちっ。俺は今日午後から抜けなきゃなんねぇんだ。お前アイツにいいくるめられんなよ。」
「いッ…いわないよ!!ハルカのことは…」


あたしの失言に、村上くんはあたしの口をばっとふさぐ。


「声がでけぇ!」


あたしは慌てて謝罪の意で顔をこくこくと縦に振ると手を離してくれた。

そしてあたしたちはまた同じ教室へ戻った。


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