素直じゃないあたしを温めて

悲しい瞳の理由


学校が終わり、

帰ろうとした時、



「後で、Warmth行くから」


と耳元で柳瀬にそう囁かれた。


あたしが頷くと、


「抱きしめてやるから待ってろよーっ」


とニヤニヤしながら言った。


「ばぁか」



どうしてあたしは素直になれないんだろう。


嬉しいのに。

柳瀬と一緒に居られることが、抱きしめられることが嬉しいのに。



どうして、素直になれないんだろう。


あたし、全然可愛く無い。

もっと素直になりたいのに。





柳瀬はあたしに微笑んだあと、

職員室に入って行った。


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