素直じゃないあたしを温めて

周りからの視線が冷たい。



【因みに茂里さん、親に捨てられちゃったみたいですよ~なんて寂しい人なんでしょうね】



グシャグシャにして床に捨てたはずなのに。


その文章だけハッキリと残って落ちていた。



「あの子、大人しそうに見えるのにねぇ……」


「てか私柳瀬先生結構好きだったんだけどなー」


「先生独り占め?最低ー」


「バイトして、先生に貢いでたんじゃねー?」


「きゃははーそれありえるー!この子ならやりかねないねー」



周囲からの声に耳を塞ぎたくなる。



「皆何言ってるのっ!琥珀はっ────」


「由香ちゃん!」


「琥珀……」



もう良いの。

変な言い方だけど、これで決心が付いたよ……
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