魔王更生物語 -させてみせます、その男!-
転入してきました、


青い空、白い雲、私の気分は上がり調子!

そんなテンプレのことしかパッと思い浮かばないほど、私は浮き足立っていた。理由は簡単、新しい学校に変わる日だからだ。

高校三年にもなって転校、それでいいのかと両親に突っ込みたいところだが、仕事の都合ならば仕方がない。むしろ、前の場所からは行きたい大学は遠すぎて一人暮らしになりそうな勢いだったから、急に近場に移れたことは喜ぶべき事なのだろう。

ふんふんと鼻歌を歌いながら通学路を歩いていく。鞄を人に当たらない程度に振り回し、今の感情を表現。さしずめ、新しく始まる生活にドキドキワクワク、という様子だろう。

ともかく、私は非常に楽しんでいた。友達出来るかな、とか緊張する!とかじゃなくて、とにかく自分が楽しければそれでいいという感じ。

次第に顔がにやけて歩幅も大きくなり、時たまスキップ混じりになってきた。これ以上張り切ると変に思われるから、必死に顔の筋肉をおさえて表情を戻す。

そうこうしているうちに、私は学園につき、校内への進入を果たしたのだった。
< 1 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop