プレイボール~始まりの合図~
すっかり誰も居なくなり、辺りも暗くなっている

さっきまで、ここで野球してたのが嘘みたいに静まり返っているグラウンドに僕と幸枝さんは立っている


「今日さあ~良いピッチングだったよ。」


「…ありがとうございます。」


チームのエースに褒められて嬉しかったけど、何か複雑な気持ち。


「マコト君、野球って何が1番大事か分かる?」

グラウンドに落ちている小石を拾いながら問いかけてきた

(幸枝さんまで…監督と似たような質問か…)


「…分かりません」

僕は下を向きポツリ呟いて答えた


すると、幸枝さんは小石を拾う手を止め僕の方に振り向いた


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