プレイボール~始まりの合図~
「マコト君、野球嫌いにならないでね。」

優しい口調で言うと、輝いていた笑顔が消え少し寂しそうな顔に変わった


その表情を見ると、僕は余計に言葉が出なくなった


「ごめんね。試合終わりで疲れてるのに呼び止めて。それだけは分かってほしかったから。」


「いえ。」

やっと出てきた言葉がこの2文字、、、

「じゃあ、帰ろうか。また来週!バイバイ。」


大きく手を振って幸枝さんは去って行く

僕も胸の前で小さく手を振る。
少し照れながら


幸枝さんってホントに野球が大好きなんだな・・・


心配しないで下さい。僕も野球大好きですから!

少しイライラしていた気持ちが和らいで、監督が僕に言いたかった事が少し分かったような気がする

グラウンドを出て家に帰る途中も、ずっと考えていた---

(信頼関係…かあ。)

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