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 まだ微かに寒さの残る3月。あたしはいつも通り、午前3時に目が覚めた。
 カーテンを開けると、まだ外は真っ暗だ。
 あたしは顔を洗い、着替えて、玄関の扉を開けた。
「……寒っ」
 空気を思いっきり吸い込むと、寒さで鼻がすこし痛かった。
 あたしが1日で唯一、外の空気を吸う時間だ。
 「いらっしゃいませ―」
 コンビニに入ると、店員がダルそうに言った。 あたしの動悸はどんどん速くなる。
 顔を上げることが出来ない。
 周りみんなが怖い。
 あたしは1日分の食事を買って、早足で店を出た。
 家までたった5分の距離が、物凄く長く感じた。
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