泡沫眼角-ウタカタメカド-


オレの名前が書かれた捜索願。
行方不明になったのは、昨日の日付。

「?」

どういうことだ。
子供じゃあるまいし、数日後にひょっこり帰ってくるかもしれないのに。
それなのに、消えた次の日に捜索願だなんて。
親も過保護なもんだ──

──いや、…ちが、う?


読み進める目が、もう一度、止まった。


記入の日付。

どういうことだ。何だこれ、ふざけんなよ…

親父の書類の違和感がわかった。
でも、納得いかない。
おかしい。
オレは何一つとして変わっていないのに。

もう一度、親父の書類も見てみる。
同じだ。


──そうだ、新聞!


もつれる足を動かし、誰もいないリビングに放置されている新聞を覗き込む。

結果は──変わらなかった。



それらすべての日付は──オレに残っている最後の記憶の日から、三年の月日が経過していた。



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