つよがり姫に振り回されて
「参加者には猫耳をつけるって言ったら、降ろされたんだもん」

ふくれっ面でいう梨沙。

「…ぷっ、くくっ」

「わっ笑い事じゃない!!」

「でっでも…猫耳って…くくっ」

笑いがこらえきれない。
しかも『猫耳つける』って言っただけで降ろされるって…
相当嫌だったんだな(笑)

「笑いすぎだ///」

立ち上がった。

「ごっごめん。…だからって俺じゃなくても」

「そういうわけにもいかないのだ。行事に生徒会が関与していないのは大問題だからな。…ということで、よろしく頼む」

「『よろしく頼む』…って、だからやんないって…」

ずーーーん

またかよ…
そんなことしても無駄だ…

「ゆーじろーはやってくれないんだぁ…」

…///
それは反則だろっ///
上目使いにふくれっ面。
かわいすぎんだろ!!

「…仕方ねぇな。やってやらなくてもいい…ぞ」

不本意だ。
すごく不本意だけど…
あんな顔されたら、『やる』って言うしかないじゃんか。

「本当か!!貴様ならそう言ってくれると信じていたぞ!!」

そう言って抱きしめてきた。
俺は突然の出来事に動けずにいた。

「…よしっ、ゆーじろー。さっそくだが、行ってきてくれないか?いいよな?」

「あっあぁ…」

今さっきの出来事で頭がぽーっとして、曖昧な返事になった。
梨沙は特にその様子はなかった。
梨沙にはただのハグなんだろうな。
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